Chez Smile Blog

 〜すみれの不育症克服プロジェクト〜
 はじめてこのサイトを立ち上げてから10年
 まだまだご覧になられる方も多くいらっしゃるようですので、
 blog版に順次移行を図っていこうと思っています。

 
このブログについて
タイトル下にも書きましたが
このブログは、以前私が2度の繋留流産を体験し不育症と診断され
治療をうけつつ出産をした際に勉強したことをまとめたWebサイトを
ベースに移行したものです。

約10年前になるでしょうか。早いものです。。。

したがって、ブログエントリーの日時は移植した日付であり
すべてのコンテンツはそのころ書かれたものであることを
ご承知置きくださいね。

したがって、
当時と現在では、記載事項に変化や変遷が重ねられている
可能性もありますので、コンテンツに関心をもたれた方は
ご自身でその確認をいただきたいと思います。

また、基本的にはブログの更新はほとんどしないと思いますので
はじめにお断り申し上げます。

なお、いくつかのカテゴリーに分類してありますので
右サイドバーにあるcategory欄をご覧いただき、
関連記事をご確認いただけたらと思います。


(・e・)

Smile, 23 mai 2010



| chezsmile | メッセージ | 03:58 | comments(0) | - |
子宮形態異常と不育症
不育症の原因は多岐にわたりますが、今回は「子宮形態異常」について紹介します。子宮奇形の有無は子宮卵管造影検査で確認します。この子宮卵管造影は非常に痛い検査として巷で通っていますが、痛みの感じ方にも個人差があるようで、私の場合は全く痛みを感じませんでした。子宮形態異常について、手元資料を参考に簡単にまとめてみました。

 
 ヒトの子宮は胎児期に左右のミュラー管が腹腔の中央で融合して形成されるため、その融合不全つまり奇形が発生しやすい。但し、先天的な奇形であっても初潮や月経周期にも異常がないので、検査を受けるまで気が付かないことが多い。子宮奇形には弓状子宮、双角子宮、中隔子宮、単角子宮、重複子宮等がある。流産率は中隔子宮が最も高く、単角、双角、重複、弓状子宮等がそれに続く。子宮奇形の治療は子宮形成術(開腹手術や経膣手術)となるが、単角子宮や完全な重複子宮は手術の適応とならない。また子宮形成術を受けた患者の分娩は帝王切開となる。(以下、子宮奇形のレントゲン写真)


↓弓状子宮

31

↓双角子宮

32

↓中隔子宮

33

↓単角子宮

34

↓正常子宮

35

【参考資料】
 牧野恒久, 和泉俊一郎, 杉俊隆. 総論 不育症. 新女性医学体系15 不妊・不育

| chezsmile | 医学的アプローチ | 03:45 | comments(0) | - |
免疫療法の効果検証
【参考文献】

Mononuclear-cell immunisation in prevention of recurrent misacarriages: a randomised trial

Carole Ober, Theodore Karrison, Randall R Odem, Randall B Barnes,D Ware Branch, Mary D Stephenson, Beverly Baron, Mary Ann Walker, James R Scott, James R Schreiber

THE LANCET Vol 354 July31,1999より

今回紹介する論文は、原因不明の習慣流産の治療として行われている「夫の単核球細胞免疫」、いわゆる「夫のリンパ球免疫」の効果について言及するものです。驚くべきことに、筆者らがアメリカとカナダの6つの医療センターで行った大規模な臨床試験の結果、「夫の単核球細胞免疫」を受けた治療群の流産率は対照群に比べ明らかに高く、この治療の有益性が確認できないことから、結論として、この治療に関して異議を唱えています。文中にある通り、この試験は2重盲検で、すなわち医師、患者とも、治療・対照群のどちらに割り当てられているか知らされずに行われた前向き研究(prospective study)であり、そのデータは非常に信頼性が高いと思われます。
注意すべき点は、試験対象として登録された女性は「原因不明の習慣流産患者」とされていますが、抗PE抗体や血液凝固12因子についての検査は受けていない模様なので、「原因不明の患者」とされた女性の中には、これらによる血液凝固異常が流産の原因となっている患者も含まれていると想定されます。そのような患者を除外して試験を行えば、また違った数字がはじき出されるのかもしれません。しかし、日本国内においても、これらの検査を受けないまま「原因不明」とされ、リンパ球移殖を受けられている方も多いことから、敢えてこの論文を紹介することにしました。「医学的アプローチ 不育症における新しい概念」でも紹介した通り、最近のトピックスとして免疫療法がTh1/Th2のバランスを改善するという興味深い説もあり、今後、免疫療法に関してはアンテナを高くして、し過ぎることはないやに考えます。以上のことを前提にして、まずはご一読ください。

いつもながらつたない訳です。ご勘弁のほどを。また原文の一部も合わせて掲載しましたのでご参照ください。
なお、青字は私が加筆したもの、下線部は重要と考えた箇所です。



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習慣流産の予防のための単核球細胞免疫について
ひとつの無作為試験


要約

背景 原因不明の習慣流産の夫婦は、母親が、遺伝的に異質な胎児の生存に不可欠な免疫応答の発達を妨げる、同種免疫異常を持っているかもしれない。夫の単核球細胞による免疫は、そのような同種免疫を介する流産の治療として用いられている。けれどもこの治療に関して発表された研究結果は、矛盾している。本研究において(習慣流産〔REMIS〕研究)、我々は夫の単核球細胞免疫が妊娠の成功率を高めるかどうか、調査した。


方法 3回以上の原因不明の自然流産の既往をもつ女性が2重盲検、多医療センター、ランダム化臨床試験に登録された。91人が夫の単核球細胞免疫に(治療)、そして92人が無菌の生理食塩水免疫に(対照)割り当てられた。第一次結果は、無作為抽出12ヶ月以内の妊娠達成が不可能か可能か。可能であった場合、妊娠28週以前に中断された妊娠(失敗)か、妊娠28週以降の妊娠(成功)か。全女性を含む分析と(intention-to-treat治療の意図)、妊娠した女性のみを含む分析の、ふたつの分析がなされた。


所見 各群2人の女性が処置を受けなかった。そして8人が(3人治療、5人対照)中間分析後に除外された。試験を終えた全無作為抽出女性分析において、成功率は、治療群で86人中31人(36%)、そして対照群で85人中41人(48%)であった(オッズ比0.60〔95%信頼区間0.33-1.12〕p=0.108)。妊娠女性のみの分析においては、それに相応する成功率は68人中31人(46%)と63人中41人(65%、オッズ比0.4〔0.22-0.91〕p=0.026)であった。母親の年齢、過去の流産数、そして夫婦が過去に妊娠を存続したかどうか、について調整後も結果は変わらなかった。過去に生児出産していない133組の夫婦のサブグループ分析においても、同様の結果が得られた。

序論
臨床的に確認された妊娠の約15%は自然流産となる。このように流産はヒトの妊娠に最も頻繁にみられる合併症である。ほとんどの流産は散発性のものであるが、夫婦の0.5〜1.0%に習慣流産(3回以上の自然流産)が起こる。習慣流産を経験しているほとんどの女性において、何の原因も確認されえない。母親が半同種異型の妊娠の存続に不可欠な免疫学的応答の発達を妨げる、という同種免疫メカニズムは、これらの流産の原因のひとつ、もしくは原因そのものとして提言されてきた。動物の流産モデルと、ヒトの移植臓器生着の研究を基準として、夫の白血球による免疫が、同種免疫を介した流産の治療として提案された。この免疫療法は、その効果が相変わらず論争の的であるにもかかわらず、合衆国や、その他国々の多くの医療センターで実施されている。発表された試験や発表、未発表研究のメタアナライシスは、大規模な無作為化試験の必要性を示すような、矛盾した結果を引き起こした。この多医療センター間の、ランダム化二重盲検試験―習慣流産研究(REMIS)―の目的は、原因不明の習慣流産の治療として、夫の単核球細胞免疫の効果を評価することであった。

方法
患者
患者は1992年7月〜1997年12月の間に6つの医療センターで募集された(合衆国:イリノイ州シカゴ シカゴ大学、ミズーリ州セントルイス ワシントン大学メディカルスクール、ユタ州ソルトレイクシティ ユタ大学、ペンシルヴェニア州ピッツバーグ ピッツバーグ大学、カリフォルニア州ロスガトス ロスオリボスウーマンズセンター、カナダ:ブリティッシュコロンビア バンクーバー ブリティッシュコロンビア大学)。すべての研究センターが各倫理委員会から承認を受け、そしてすべての患者からのインフォームドコンセントが得られた。患者は委託母体から広く募集されたので、審査された人数や不適格者数は知らされなかった。

適格基準は、
 染色体異常児、子宮外妊娠によるものではない3回以上の流産の既往(連続している必要はない)
 現在の夫との間に2人以上生産していない。
 募集時点で40歳以下
 免疫時点で妊娠していない
 微細胞毒性測定法によって抗HLA抗体が測定されない
 夫の単核球免疫に対して禁忌がない
 過去の流産に原因が見出されない

流産の原因は次の方法で確認された。
 両親の細胞遺伝学的検査(染色体検査と思われる)
 黄体期のプロゲステロン連続測定、もしくは同位相の子宮内膜
 血清中の甲状腺ホルモン濃度
 子宮内腔の形は子宮卵管造影法、超音波子宮断層法、もしくは子宮鏡検査で評価
 カルジオリピン抗体は同一の検査室で測定される
 ループスアンチコアグラントはリン脂質依存性血液凝固時間を用いて、標準凝固時間(平均値より2SD以内)と比較して評価した。ほとんどの医療センターが感性の部分トロンボプラスチン時間を使用し、いくつかのセンターは希釈ラッセル蛇毒時間を使った。


研究のデザインと過程

患者はそれぞれの医療センターで、治療または対照群に無作為に割り当てられた。ランダム化は、臨床センターによって8人と10人サイズの置換ブロック法で階層化された。治療群に割り当てられた女性は夫の単核球細胞で免疫され、そして対照群に割り当てられた女性は無菌の生理食塩水を同用量注射された。生物統計学者の研究室によって準備された不透明の連番されたシール張りの封筒が、各センターの血液バンク(合衆国)、もしくは輸血医療センター(カナダ)に保存され、男性パートナーが採血した時点で(免疫の1日前)、検査員によって開けられた。もしその夫婦が対照群に割り当てられていた場合、採血された血液は廃棄された。免疫用の注射器は血液バンク員によって準備され、注射をするREMIS看護コーディネーターに与えられた。注射器と管は、にごった細胞液が透明な生理食塩水と見分けられないよう、不透明なテープで覆われた。このように、患者も患者に接触した研究員も、処置割り当てに気付くことはなかった。

単核球細胞はフィコール勾配を使って1単位の全血から取り除かれ、一晩1〜6℃で保存された。その次の日、細胞液(5mLの標準生理食塩水に2億個のリンパ球が含まれている)は注射器に移された。3mLが静脈内に投与され、そして0.5mLが前腕の皮下2箇所と皮内2箇所に注射された。対照群に割り当てられた女性に対しては、5mLの生理食塩水が注射器に分割され、同じ方法で投与された。全女性が妊娠テストで陰性を確認後、月経周期の最初の2週間に免疫された。彼女達は免疫後1時間観察され、そして体温はもちろん、血圧、脈拍数など免疫に対するどんな反応も記録された。夫のHLAに対する抗体は免疫の2週間以降に測定されたが、その結果は研究者に明かされなかった。すべての患者は3ヶ月ごとに電話で接触された。6ヶ月以内に妊娠しなかった患者は、同じ試験計画書に従って、最初に受けた時と同じ方法で再免疫された。

妊娠は、月経予定日後1〜5日に、すなわち排卵後3週目(妊娠5週)に診断された。妊娠が確認された後は、妊娠第1三半期中、週1回の往診が予定された。往診が不可能な場合は、患者が電話連絡をとった。患者の医師もしくはREMIS看護コーディネーターによる週1回の往診の期間、補助的治療が提供された。この治療は心理的サポートと超音波検査を含んでいた。

第1三半期後、産科的ケアが患者の主治医によって引き受けられた。看護コーディネーターは残りの妊娠期間中、女性一人一人と月1回、接触を続けた。正常な経過を辿った女性については、遺伝学的研究のため、分娩時に臍帯血と胎盤標本が採集された。もし流産が起こった場合は、細胞遺伝学ならびに遺伝学的研究のため、受胎生成物の採集にすべての努力がはらわれた。流産は、それが胎児の心拍確認前に起こった場合は前胎芽の、胎児の心拍は確認されたが妊娠10週以前の場合は胎芽の、そして胎児の心拍確認後、少なくとも妊娠10週以降の流産の場合は胎児の流産と考えられた。習慣流産に対し、他のいかなる治療法も併用されなかった。


統計学的分析

第一次分析は、intention-to-treat(治療の意図)により、全無作為抽出患者に対して行われた。Mowbray and colleaguesの試験計画書に従い、成功は少なくとも妊娠28週まで継続した妊娠と定義された。治療の失敗は、12ヶ月以内に妊娠に至らなかった女性、そして妊娠28週以前に流産を経験した女性であった。第二次分析は、無作為抽出後12ヶ月以内に妊娠した女性だけを対象に、妊娠28週以前の流産で失敗、という定義で行われた。サブグループ分析は過去にも生児を出産したことがない女性に限定して行われた。

治療と対照グループ間の相違は、連続変数を求めるスチューデントのt検定と、絶対変数を求めるχ2もしくはフィッシャーの直接法で分析された。成功率は、流産に関連づけられるとされる3つの要因(すなわち、母親の年齢、過去の流産数、患者が過去に生児出産をしたかかどうか)について無調整、調整の両方のオッズ比を引き出すべく、記号論理学的回帰分析によって比較された。無作為抽出後、妊娠反応陽性に至るまでの月数、そして妊娠診断後、流産するまでの週数の分布はKaplan-Meier methodで評価され、ログランク検定によりふたつの群間で比較された。

研究は両群の妊娠率を同等の60%と仮定し、妊娠女性中の生児出産率(具体的には妊娠28週以上)の増加―対照群60%から、治療群80%まで―を検出すべく設計された(すなわち12%の成功率の相違)。α=0.05の両側有意検査で、80%の確率でこの規模の相違を検出するためには、群ごとに262人規模のターゲットサンプル女性が必要であった。中間分析はO’Brien-Fleming monitoring boundaryで50の結果ごとに計画された。しかし、1997年12月に最後の参加者が無作為抽出された時点で、サンプル規模は計画より小さかった。そして、3回限りの中間分析と1回の最終分析がなされた。すべての結果は独立したデータと安全監視委員会により、再調査された。1998年2月の第三次中間分析後、委員会はこれ以上の6ヵ月再免疫は行われるべきではないと薦めた。この決定の理由は、治療群の流産率が対照群のそれより高かったからである。その結果、6ヶ月で妊娠しなかった治療グループの3人の女性と対照群の5人の女性は再免疫されなかった。intention-to-treat分析のためには、これらの患者8人の結果は不確定と見なし、そして群比較から除外された。妊娠反応陽性までの月数の分布分析においては、これらの患者の観察報告は6ヶ月で打ち切られた。すなわち、6ヶ月以降の追跡情報は計算外とされた。

結果
183人の女性は無作為に治療と偽薬に割り当てられた(図1省略)。スクリーニングの結果、妊娠1人、そして血液型不適合1人が明らかになり、無作為抽出後(しかし免疫前)に、1人は夫のサイトメガロウイルス抗体陽性のため、もう1人は個人的な理由で、2組の夫婦が参加しないと決めたことから、免疫前に各群2名が不適格と判定された。179人中131人の女性が(73.2%)が無作為抽出後12ヶ月以内に妊娠し、40人(22.3%)が妊娠しなかった。そして8人の結果が不確定とされた。

131人の妊娠女性のうち、72人(55%)が出産し、そして59人(45%)が流産となった。59例の妊娠失敗のうち、5人が子宮外妊娠、31人が前胎芽期流産、17人が胎芽期流産、そして6人が胎児期流産であった。

治療・対照群の人口統計学的、そして妊娠歴変数の分布は表1に示される。両群は治療群において過去に生児を持った女性の率が高いということを除き、似通っていた(p=0.054)。母親の年齢、過去の流産数に応じた変数はその後の分析において共変数として含まれた。

表1 各群の人口統計学的変数と妊娠歴

                              治療群(n=89)     対照群(n=90)

平均年齢*                       32.7(4.3;23−41**)   32.7(4.4;22-40)
人種 
白人                           83(93%)           78(87%)
その他                           6(7%)            12(13%)
妊娠歴 
過去の妊娠回数*                    4.9(2.1;3-16)         4.6(1.6;3-9)
過去の流産回数*                    4.3(1.8;3-13)         4.2(1.4;3-9)
過去に生児を出産した女性数            29(33%)           17(19%)
過去に子宮外妊娠歴のある女性数         9(10%)           12(13%)
過去に染色体異常の胎児を流産した女性数    5(6%)             7(8%)

*平均(標準偏差;範囲)
**女性1人は40歳で募集されたが、41歳の誕生日の直後に無作為抽出された。


Intention-to-treat分析において、治療群の成功率は36%、そして対照群では48%であった(表2、オッズ比0.60〔95%信頼範囲0.33-1.12〕p=0.108)。母親の年齢、過去の流産数、そして過去の生児出産を調整に入れた コレスポンデンス分析は同等のオッズ比を導いた(0.54〔0.28-1.02〕p=0.056)。過去の生児出産が成功オッズ上昇に関連するとはいえ、いずれの共変数効果も統計学的有意性に至らなかった(2.05〔0.96-4.35〕p=0.062)。カプラン・メイヤー推測の妊娠率は、治療群で78%、そして対照群で72%と、群間で著しく異ならなかった(ログランク p=0.232)。

表2 各群の検査結果

妊娠結果              治療群     対照群
無作為抽出された全患者
計                    86        85
成功                   31(36%)     41(48%)
失敗                   55(64%)     44(52%)
妊娠した全患者
計                    68        63
成功                   31(46%)     41(65%)
失敗                   37(54%)     22(35%)


妊娠女性のみを含めた分析において、成功率は治療群で46%、そして対照群で65%であった(オッズ比0.45〔0.22-0.91〕p=0.026)。再び共変数調整されたコレスポンデンス分析は、同等のオッズ比を導いた(0.40〔0.19-0.84〕p=0.015)。この分析において、過去の流産数は成功率に有意な効果をもった(流産1回追加ごとのオッズ比0.75〔0.58-0.99〕p=0.040)。治療効果もまた、参加施設間で同様であった(データは未公表)。

分析は原発性習慣流産夫婦、いわゆる過去に生児を得ていない夫婦を対象に繰り返された。治療群59人中18人(30%)、そして対照群70人中32人(46%)というIntention-to-treat分析における成功率でもって、結果は再び対照群に味方した(オッズ比0.52〔0.25-1.08〕調整後p=0.082)。妊娠女性に限ると、治療、対照群の成功率は、それぞれ46人中18人(39%)、51人中32人(63%)であった(0.37〔0.16-0.86〕調整後p=0.021)。治療群において、免疫後、患者の26%にHLA抗体が現れた。成功率とHLA抗体状態との間に明白な関連性はなかった(免疫後HLA抗体陽性患者、陰性患者の成功率はそれぞれ31%、30%、p=1.0)。

治療、そして対照群における、妊娠から流産へいたる時間の分布は図2(省略)に示される。流産時点での平均妊娠期間は治療、対照群それぞれ8.9週(標準偏差4.5)、6.2週(1.5)であった(p=0.002)。流産が起こった時点までの妊娠期間は、対照群の全患者において10週以前であったが、治療群においては37人中6人(16%)が妊娠10周以降に起こった。発育段階ごとの流産のタイミングは表3に示されている。治療、対照群間で、子宮外妊娠、前胎芽、そして胎芽の流産率に有意差はなかった(p=0.320、それぞれ0.564、0,162)が、胎児流産率は治療群において著しく高かった(p=0.036)。

受胎生成物の染色体研究は59体の堕胎児中21体で成功した。細胞遺伝学的研究がなされた21体中、7体(33%)が異常核型を持っていた。すべて治療群であった(表3)。治療群において、さらに4体の胎児が異常を持っていた。嚢胞性のヒグローマ2体、臍ヘルニア、気管・食道の瘻、十二指腸の閉鎖、そして単臍動脈1体、トリプルマーカー検査異常1体(α―胎児性タンパク、非結合エストリオール、そしてヒト繊毛ゴナドロピン)。

表3 失敗に終わった妊娠の時期と異常

                   発育段階
                     子宮外      胎芽       胎芽      胎児
治療群
失敗した妊娠数(妊娠数n=68)   1(1%)      18(26%)    12(18%)    6(9%)
細胞遺伝学的研究可能な症例    0         4         9        4
正常核型数(46,XX/46,XY)               2/0        0/4       3/1
異常核型                         47,XX+20    45,X
                               47,XX+16    45,X
                                         47,XXX+14
                                        47,XX+16
                                         69,XXX
対照群(妊娠数n=63)
失敗した妊娠数(妊娠数n=68)   4(6%)      13(21%)      5(8%)     0
細胞遺伝学的研究可能な症例              1          1       2
正常核型数(46,XX/46,XY)      0/1       1/0         2/0
異常核型



28週以降の早産も胎児死亡もなかった。各群の母親の生児出産値に関しても、治療、対照それぞれ31人、41人と相違はなかった。出産の平均時期は処置群で39.2週(標準偏差1.7、範囲35.6-44.4)、対照群で39.4週(1.3、36.4-41.0)であった。ふたつの群の平均出生時体重は、それぞれ3395g(623;2241-4592)と3353g(491;2381-4479)であった(p=0.755)。男女比(M/F)は治療群で0.82、対照群で0.86であった(p=1.0)。

議論
REMIS研究において、検討対象が全無作為抽出患者か、妊娠に至った患者か、もしくは過去に生児を得た患者を除外するか否かにかかわらず、その妊娠成功率は夫の単核球細胞を免疫した患者より、対照群の方が高かった。加えて、免疫後にHLA抗体が現れたかどうかにかかわらす、治療群患者における結果は同様であった。このように、我々は習慣流産の治療のための夫の単核球細胞免疫からは何の有益である証拠も見出さなかった。その上、生理食塩水を免疫した患者より、夫の単核球細胞を免疫した患者中の流産率が高いということは、夫の単核球細胞を用いた免疫療法が臨床的に確認された流産率を高めている可能性があると示唆している。
治療群における高い流産率は、後期におこる流産に関連していた。実際に、妊娠9週以降に起こったすべての流産が治療群におけるものだった(図2省略)。すべての染色体異常、そしてその他の異常もまた、治療群で起こった。けれども、この所見はおそらく、治療群において後期の受胎生成物として、胎児組織を確認する機会が多かったこと、そしてより後期の流産数が多かったことを反映している。たとえば、本研究における染色体分析は、31前胎芽中5体(16%)、17胎芽中11体(65%)、そして6胎児中4体(67%)で成功した(表3)。流産児の染色体異常についての疫学的研究の推定は、初期流産の大部分は染色体異常であると示唆している。けれども、すべての流産児の染色体情報がなければ、我々は分析を染色体正常妊娠に限定することはできない。それにもかかわらず、治療群の母親の年齢分布がほとんど同じと仮定すれば(表1)、染色体異常の発生はグループ内に無作為に分布されるべきであった。
本研究の結果はMowbray and colleaguesの同様な臨床試験の結果と異なっている。我々はほとんど同じ試験計画書に従ったけれども、研究間にいくつかの違いがあった。まず、過去の研究には対照処置に10mLの血液から採取された母親の単核球細胞が使用された。ところが、我々は生理食塩水を使った。その研究における対象群の妊娠成功率が予想以上に低かったため(37%)、我々はCouchi and colleaguesの研究のように、生理食塩水を使用することを選択している。第2に、Mowbray and colleaguesの試験は第1三半期に補助的治療を施さなかった。我々の対照群における成功率は習慣流産女性の疫学的、およびコホート研究において報告された成功率と同等ではあるけれども、偽薬としての生理食塩水の使用と、第1三半期における補助的治療の施行は、彼らの研究における成功率より、われわれの対照群の成功率が高いことを理由づけた(それぞれ65%vs37%、妊娠女性内で)。けれども、我々の試験計画書におけるこれらの相違は、ふたつの研究間の治療群での成功率の差異を説明しそうにはない(それぞれ46%vs77%、妊娠女性内で)。他方で、試験設計や分析における相違は、我々の研究上の相違のいくつかを説明づける。Mowbray and colleaguesは、a fully sequential design(stopping early)を使用し、我々が行ったintention-to-treat分析をしなかった。そのことは、もしふたつの群間で妊娠率、もしくは化学流産率が異なれば、結果が偏ってしまったかもしれない。また、Mowbray and colleaguesの研究において(Jeng and colleaguesによる分析)、18人もの患者が試験終了後に追跡調査された時、治療効果は落ち、そして治療患者と対照患者間の相違に有意性が無かった。

Mowbray and colleaguesやいくつかの追加ランダム化試験により導かれた、発表および未発表データを含むメタアナライシスにおいて、白血球免疫療法を擁護する、小さいけれど有意な効果が見つけられた。この分析において、治療された女性の成功率は62%から77%に分布した(混合サンプル、68.4%)。結果は相対的危険度で、すなわち、治療、対象群における生児出産率として報告された。その論文においては、ふたつの分析チームが独立して研究し、それぞれ1.16(95%信頼区間 1.01-1.34)そして1.21(1.04-1.37)という推測値に到達した。これらの試験に最新のデータを含めた1995年のメタアナライシスにおいて、免疫療法の効果は有意性に達しなかった(生児出産率1.12〔0.97-1.31〕)。もし我々の試験の結果がこれらのデータに追加されれば、推測される生児出産率は1.04(0.91-1.20)に下降する。試験間の結果の不均質に対するテストに有意性はなかった(p=0.320)。

本研究において、夫の単核球細胞免疫は習慣流産女性の妊娠結果を向上させなかった。説明不可能な習慣流産歴にもかかわらす、妊娠した対象患者の65%近くが妊娠成功となった。我々は妊娠した免疫女性において、より高い流産率と流産期がおそいことを発見した。有益性がないことから、我々は原因不明の習慣流産に対する治療としてこの方法に反対する。
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免疫療法の適応原則
【参考文献】

アメリカ生殖免疫学会の反復流産の診断と治療のための臨床指針推薦委員会の報告書(1997年8月)より


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「不育症に対する免疫療法の適応の原則」

 1. 生産歴がない、または生産歴より3年経過して連続3回以上流産している症例。生産歴のある症例に夫リンパ球などによる免疫療法をした場合、あまり効果がない。

2. 自己免疫異常(抗リン脂質抗体や抗核抗体など)のない症例。自己免疫異常のある症例に夫リンパ球などによる免疫刺激をした場合、効果がない上に、自己免疫疾患を誘発する恐れがある。

3. 抗夫リンパ球抗体がない症例。
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血液凝固第12因子と習慣流産について
【参考文献】

牧野恒久 杉 俊隆
「Plasma contact system, kallikrein-kinin system and antiphospholipid-protein antibodies in thrombosis and pregnancy」*
*「Journal of Reproductive Immunology」Vol.47 2000 に掲載

※上記論文より血液凝固12因子と習慣流産に関する部分を抜き出し訳してはみましたが、どうもイマイチなので 英語の原文も加えました。但し、下記に対応した部分のみの紹介となりますのでご注意下さい。


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 血液凝固12因子、プレカリクレインそして高分子キニノーゲンは内因性血液凝固系における接触因子として知られている。これらタンパク質の欠損症は試験管内では凝固時間の延長を示すにもかかわらず、臨床的な出血は見られない。逆説的に、これらのタンパク質は抗凝固、線溶促進活性を有すると言われている。事実これらの欠損症と反復血栓症との関連が報告されている。また原因不明の習慣流産において、これらタンパク質の欠損症と抗リン脂質抗体が、血液凝固異常としてしばしば発見される。最近、胎児胎盤ユニットにおけるカリクレインーキニンシステム、もしくは接触システムの存在が証明されている。これは接触システムが妊娠において重要な役割を担っていることを示唆している。いくつかの研究では全身性エリテマトーデス、血栓症、そして習慣流産患者に接触タンパクに対する抗体が発見される、と報告されている。しばしばこれらの抗体は、抗リン脂質抗体やループスアンチコアグラントと関連している。接触タンパクは、抗リン脂質抗体症候群患者に発生する抗体に結合するタンパクとして、リストに加えられるかもしれない。

 カリクレイン-キニンシステムは3つの必須血しょうタンパクー凝固12因子、プレカリクレイン、そして高分子キニノーゲンーから成っていて、それらは陰性荷電表面に結びついて互いに作用しあっている。12因子は陰性荷電表面との接触によって活性化されうる。(Griffin et al.,1978; Silverberg et al., 1980; Tankersley et al.,1984).活性化12因子はプレカリクレインをカリクレインに変え、カリクレインは血管に作用し炎症性を有する媒介物質ブラディキニンを開放すべく、高分子キニノーゲンを分解する。また活性化12因子は内因性の凝固系を継続するために11因子を活性化する。

 驚くべきことに12因子欠損症は反復血栓症患者に多い症例として報告されている。(Mannhalter et al.,1992; Halbmayer et al,1992).12因子欠損症は常染色体劣性である。(Halbmayer et al.,1994)。同形接合の12因子活性値1%以下の12因子欠損症は、日常の実験室での検査でしばしばaPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)の著しい延長を伴い発見される。12因子活性値が25〜50%の異形接合の12因子欠損症はaPTTの若干の延長、もしくは正常なaPTTを示す。
 抗リン脂質抗体もしくは12因子欠損症にみられる血管と胎盤の血栓は、習慣流産に関連していると報告されている。(Cowchock et al.,1986; Schved et al.,1989). Schvedet al.(1989)は12因子欠損症で習慣流産の病歴を持つ3人の若い女性(同形接合2人、異形接合1人)の症例について報告した。Braulke et al.(1993)は43人の反復流産患者中、12因子が低い水準にある患者が8人いたと報告した。最近Gris et al.(1997)は500人の原因不明の原発性習慣流産患者の血液凝固異常の症例を報告した。彼らは9.4%の12因子単独欠損症患者を、7.4%の原発性抗リン脂質抗体症候群患者を見つけた。そして線溶系低下については患者の42.6%に見つけられた。
 Bick and Ancypa(1995)は、より一般的なアンチトロンビン3、プロテインCそしてプロテインS欠損症に対し、12因子欠損症は、まれな先天性の血液タンパク欠損の一つであると報告している。けれども反復性の静脈及び/または動脈の血栓塞栓症患者の12因子欠損症の症例は8〜20%とされた。(Halbmayer et al,1992).正常人における12因子欠損症の症例についてはほとんど知られていなかったので、Halbmayer (1994)は12因子欠損症について300人の健康な血液ドナーを調査し、2.3%の12因子欠損症の発生率を報告した。300人の健康なドナーのうち16人(5.3%)の被験者にaPTTの延長が確認された。aPTT延長の原因は、12因子欠損症(7/16)、ループスアンチコアグラント(6/16)、軽度の8因子欠損症(1/16)、そして肝臓の疾病(1/16)である。彼らのデータは12因子欠損症が他の血液タンパクの欠損症より比較的頻繁におこる障害であることを示している。

 Gris et al.(1997)は初期の習慣流産と12因子との関係について報告した。またSugi et al.(1999)は妊娠初期の習慣流産について言えば、陰性のリン脂質に結合する抗体よりキニノーゲン依存性の抗PE抗体との方が、統計的に強い関連があると報告した。このように、妊娠中期以降に起きる抗カルジオリピン抗体の関連した流産とは反対に、妊娠初期の流産はしばしば接触システム、もしくはカリクレイン−キニンシステムの崩壊に関連しているかもしれない。なぜならカリクレイン−キニンシステムは子宮胎盤ユニット内にのみ存在し、それは胎盤の血液の流れや胎盤への物質や代謝産物の供給を調整する役割を負っている。(Hermann et al.,1996)このシステムの崩壊は、妊娠初期の流産のリスクファクターの一つと推測される。

 

  
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